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笠井歯科医院の診療案内:顎関節症

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顎関節症とは

日本顎関節症学会により、「顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害、または顎運動異常を主要症候とする慢性疾患の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれる」と定義されています。何やら非常に難しいですが、簡単に言うと、?お口の開く量が減った、?あごの周囲に痛みがある、?ガクガク、ジャリジャリなどお口を開けたとき音がするなどの症状を伴う病気のことです。随伴症状として肩こり、頭痛などが生じることがあり、顎関節症の治療を行うことでそれらの症状が改善することもあります。顎関節症は、人により様々なケースがありますが、代表的なものについていくつか見てみましょう。

ガクガク顎関節部から音が以前よりしていてお口の開くことのできる量が最近減ったケース

お口を開けにくくなったという症状は顎関節症の典型的な症状です。その中で、よく見られるのがこのタイプの開口障害です。正常なヒトでは、お口が開いたり閉じたりするとき、関節円板というクッションを介して下顎は動いています。

正常な顎関節の動き

ところが、何らかの原因で、関節円板というクッションが正常な位置から前方に落ち込んでしまい元に戻らなくなるときがあります。そうなると、関節円板がむしろストッパーの役割を果たすことになりお口が開きにくくなるのです。この病態での開口障害は、症状が発生してから間もない場合は、開口訓練等運動療法により改善が認められるケースも多いのですが、長期に及んだり重度の開口障害が見られたりする場合は、顎関節部に注射をして生理食塩水などで洗浄する必要があるケースもあります。

関節円板の前方転位によるグローズドロック

また、顎関節周囲の筋肉に炎症があり、痛みの為、お口が開けにくくなる場合もよくあるケースです。これについては次の項目で詳しくご説明致します。

あごの周囲に痛みがありその為お口が開きにくくなったケース

お口を開いたり閉じたりするときには、様々な筋肉や靭帯が連携して働いています。それらは日々、お口を開けたり閉じたりするたびに使われているので筋肉や靭帯に疲労がたまったり、過度の力が加わってしまったために炎症が出現してしまい痛みが出ることがあります。痛みが出る部位は首、耳の下、下顎、顎関節部位、頭の側面など多岐に渡り、頭痛で内科に行ったが実は顎関節症が原因の頭痛であったなどということもあります。その痛みの為、口が開きにくくなることもよく見られ、まずは、顎関節に負担をかけないことが最優先になります。治療としては、痛みをとる為鎮痛薬を使用し、スタビリゼーションスプリントという顎に負担がかかるのを和らげるマウスピースのような装置を用いることもあります。

あごを開ける顎関節部からガクガクないしジャリジャリと音がするケース

あごを開いたり閉じたりするときに、ガクガクないしジャリジャリと音がすることがあります。この音の原因についても様々なものがありそれらを全てご説明することはページの都合上難しいので代表的なもののみここではご説明します。お口が開いたり閉じたりするとき、関節円板というクッションを介して下顎は動いています。ところが、何らかの原因で、関節円板というクッションが正常な位置から前方に落ち込んでしまうことがあり、お口を開いたときにその関節円板というクッションが正常な位置に戻るような病態を呈していることがあります。その関節円板が正常な位置に戻るときガクッと音がする場合があるのです。尚、このタイプの顎関節症の場合、約20%の方は先にご説明したお口が開かなくなる病態に移行すると報告されてもおり、注意が必要になります。その他、エミネンスクリック(結節性雑音)という顎関節の構造的な問題から音が出るケースなどもあり、音の発生する原因によって対応法は異なります。

復位のある関節円板前方転位

笠井歯科医院では、顎関節症の治療も行っておりますが、顎関節部に生じた腫瘍や咀嚼筋腱筋膜過形成症(お口を開いたり閉じたりする腱が過度に発育しお口が開かなくなる病気)等が疑われる場合は、全身麻酔下での処置が適応となることもあり、そのような症例については、(国立)東京医科歯科大学附属病院顎関節症外来や各病院歯科口腔外科外来等へご紹介をさせて頂いております。また、関節リウマチなど全身的なご病気から顎関節部の骨が変形し痛みや音を生じている場合もあります。そのような場合は、内科での治療が必要になることもあります。いずれにせよ顎関節症の治療については、各患者様の病状にあった治療法を選択することが重要です。顎関節に気になる症状がある場合は是非一度御相談ください。

 
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